若手歯科医師の家族で留学奮闘記

一般歯科医師が,卒後8年目から家族でのアメリカ留学を目指すブログです.

8020,8020というけれど...

こんにちは,syuです.

 

きょうは国が進める8020運動について.

 

 

そもそも8020とは?

8020運動とは,1989年(平成元年)より,厚生省(当時)と日本歯科医師会が推進する「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という運動です.

 

 

なぜ20本?

人の歯の数はご存知でしょうか?

永久歯は親知らずを除いて上下左右それぞれ7本ずつ,合計28本あります.

そのなかで80歳になった時にも20本以上残しましょうというものです.

 

なぜ20本なのかというと,日本歯科医師会HPによると,

 

20本以上の歯があれば、食生活にほぼ満足することができると言われています。そのため、「生涯、自分の歯で食べる楽しみを味わえるように」との願いを込めてこの運動が始まりました。

 

とされています.

事実,自分の歯が20本以上残っている人と比べると,19本以下で義歯を使用していない人は

認知症発症リスクが最大1.9倍 (Yamamoto et al., Psychosomatic Medicine, 2012)

転倒リスクが2.5倍 (Yamamoto et al., BMJ open.2,e001262, 2012)

要介護状態になる可能性が1.2倍 (Aida et al., American Geriatric Society, 60(2):338-48, 2012)

というデータも出ています.

 

やはり20本以上残すことは重要なんですね.

 

達成されているの?

厚生労働省が発表している歯科疾患実態調査というものがあります.

H28の歯科疾患実態調査によると,

8020達成者の割合は51.2%で過去最高であったと発表されています.

 

この割合が高くなってきていることは大変喜ばしいことですね.

 

先ほど19本以下しか残っていないといろいろなリスクが上昇すると言いましたが,実は19本以下でもしっかりと嚙める(ここが重要)義歯を使用している場合は20本以上の場合と有意差なしと報告されています.

 

しかし,「しっかり噛める義歯」というのは,必ずしも簡単ではないケースも少なくありません.義歯は作ったけど気持ち悪くて使えない,痛くて使えない,安定が悪くて使えない,という方もいらっしゃいます.歯科医院による調整で改善することが多いですが,難症例ではなかなかそうもいきません.

さらに,昔に比べて抜歯をせずにぎりぎりまでなんとか治療して残すという風潮も強くなっており,抜歯した時には歯茎の吸収も進んでいていきなり難症例,というケースが増えているのは事実です.

かといってインプラントも適しているケースとそうでないケースがあり,また保険外診療になるため経済的にも誰でもできるというものではありません.またインプラントを入れたあとはなおさらメンテナンスが重要になります.

 

それらを鑑みると,やはり自分の歯を残すことの重要性が痛感されます.

そのためにも,日頃からかかりつけ歯科医院をもち,自覚症状が何もなくても定期的にメインテナンスに通う,ということが最も重要になると思います.

是非かかりつけ歯科医院をみつけてください.

 

そして,

8020で本当に十分なのか,という話を,また別の機会にしたいと思います.

 

それでは,また〜.

 


 

 

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