月星先生CEセミナー
こんにちは,syuです.
今回は,以前参加したセミナーについて書きたいと思います.
歯科関係者以外には面白くないと思います💦
月星先生CEセミナー ニューベーシック
言わずと知れた月星光博先生.
歯科医師でちょっとでも歯牙の外傷や移植について勉強したことのある人なら一度は聞いたことがある名前のはず.
知らない人はモグリです,と言っても過言ではないかも...
国際外傷歯学会の会長を務められていたこともある,世界的に超有名な先生です.
なんでも地球の裏側から患者が来たこともあるとか(マジ).
日本でこの先生以上に歯牙の外傷や移植を手がけている人はおそらくいないでしょう.
この月星先生が開催されているセミナーがCEセミナー(Continuing Education セミナー)です.
CEセミナーにはいろいろとあるのですが,今回はその中の一つ,ニューベーシックコースに参加した感想を書きたいと思います.
内容は
土日×3回(月1回)の計6日間(足掛け3ヶ月)で,
第1日目:歯周治療の科学と臨床に関する講義
第2日目:X線写真,口腔内写真,SRPに関する講義と実習
第3日目:治癒の歯内療法に関する講義
第4日目:根管拡大,形成,充填に関する実習
第5日目:外傷歯の診断と治療に関する講義
第6日目:歯冠破折の治療実習,4級のCR修復実習
となっています.
つまり,1ヶ月目はペリオ,2ヶ月目はエンド,3ヶ月目は外傷,を学びます.
受講料
受講料は29万8千円+材料費2万4千円.
まあ6日間で実習込みなのでこんなものでしょうか.
受けた感想
肝心の受講した感想について.
と,その前に.
申し込むと受講票その他が届くわけですが,その時届いた月星歯科医院の封筒がこれ↓
Dental Clinic MOONSTAR
...なんてお茶目な⭐️
超一流の先生はやはり違います.
それはさておき,まず会場となる月星歯科医院のアクセスについては,必ずしも良いとは言えません.
飛行場から公共交通機関でも行けるとは思いますが,当日入りしたこともあり,時間の関係でタクシーで向かいました.
タクシーで高速使って30-50分くらいだったかな?
だいたい8000-9000円くらいかかりました.
費用はともかくとして,ちょっと大変だったなーというのが正直な印象.
しかしこれはまあ仕方ないですね.
次に内容について.
〈ペリオ〉
某スタディーグループと異なり,外科処置はなるべく行わない方針.
月星先生も昔はバリバリ外科を行っていたそうですが,結果として根面露出や分岐部露出がおこり,果たしてこれが正解なのか,と疑問を持たれたとか.国際的にもポケットが深いからといって必ずしも外科は必要なく,BOPの有無の方が重要という考え方があるそうです.
少なくとも単根歯はSRPまででコントロールできないとダメとのこと.
今までの固定概念を少し壊してくれる内容で,受けてよかったです.
〈エンド〉
これは月星先生の著書『治癒の歯内療法』1冊まるまる扱う内容で,1日目朝9時から夜9時前まで講義が行われました.
治癒の歯内療法 新版 (シリーズMIに基づく歯科臨床vol.02)
- 作者: 月星光博,福西一浩
- 出版社/メーカー: クインテッセンス出版
- 発売日: 2010/11/10
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
基本的にはそれまでに他セミナー(いずれ記事にしたいと思います)で学んだことと大きくは変わらなかったので知識の確認と現在の自分の考えが間違っていないことが確認できたという意味でよかったです.
ただ,根管拡大の方法はクラウンダウンが指導されたのですが,アドバンスコースではシングルレングスを指導されるとのこと.そこを分ける理由がいまいちわかりませんでした.
クラウンダウンは以前は初心者向けという向きもあったようですが,現在では手技も煩雑になりどこまでどのファイルを使うかという明確な指標もないためあまりシングルレングスに対するアドバンテージがないというのが主な考え方だと思います.
だからこそアドバンスではシングルレングスを教えているのでしょうし,そこはベーシックコースでもシングルレングスで良かったのでは,と思いました.
根充はラテラルとバーティカルのハイブリッド.
ペンエンドとは反対にシーラーが全てという考え.
まずシーラーをレンツロで根管内いっぱいに入れます.
メインポイントとアクセサリーをスプレッダーによる加圧なしで入るだけ入れ,shear off.
ペンエンドではシーラーの厚みをできるだけ薄くするためにCWCTを用いるので,ここは自分がどう考えるか,それぞれの論文をどう捉えるか,になってくると思います.
〈外傷〉
これだけでも行った価値あり.
移動費宿泊費込めるとおそらく40万近くかかっていますが,外傷の回を受けられただけでも十分その価値があったと断言できます.
これも月星先生の著書『外傷歯の診断と治療』1冊分を扱います.
外傷歯の診断と治療 増補新版 (シリーズ MIに基づく歯科臨床) (シリーズMIに基づく歯科臨床)
- 作者: 月星光博
- 出版社/メーカー: クインテッセンス出版
- 発売日: 2009/08/10
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
大人の外傷(震蘯,亜脱臼,脱臼,脱落,破折)から小児の外傷まで,全て扱います.
月星先生もおっしゃっていましたが,おそらく外傷だけで丸一日講義が行われるセミナーは世界中探しても他にはないでしょう.
『外傷歯の診断と治療』はもともと持っており読んでいましたが,やはり直接講義を受けて説明を受けると理解が全然違います.
そして非常に多くの症例写真はまさに圧巻.この外傷歯が残せるのか,この歯髄が残せるのか,という症例がたくさん出てきます.
幸か不幸かセミナー直後に小児の外傷症例が来院しました.
このセミナーを受けていなければ間違いなく処置方針が変わっていたでしょう.
まとめ
総じて行く価値ありです.
エンドに関しては僕はその前にペンエンドの先生のセミナーを受けていたため大きくその後の臨床が変わることはなかったですが,それでも行って良かったと思います.
そして前述の通り外傷歯の回だけでも40万の価値ありだと思います.
間違いなく他で外傷歯についてこれほど教えられる先生はいないでしょう.
少しでも興味がある先生には,全力でおすすめします.
アクセスだけが,ちょっと大変...